カタログギフトは割高なの?
香典返しの相場
一般的に香典返しの相場は「半返し」と呼ばれております。5000円いただいた場合には2500円相当のお返しをするということです。
親族や友人知人によってお香典の金額も変わってくるため、香典返しの内容も3パターンくらい用意しておくと良いと言われております。
そして、香典返しの相場から金額相応の商品を選ぶ際に「本来の商品価値」を考えてみましょう。それにはカタログギフトのデメリットを知る必要があります。
カタログギフトのシステム料や送料
カタログギフトのデメリット
カタログギフトのデメリット、それはシステム手数料・送料がかかることです。
香典返しを含め多くのカタログギフトでは、カタログ代+職員が処理し準備し発送する手数料である「システム料」が上乗せされます。それに加え送料がかかります。それらの金額はサイトによって表記はまちまちですが、おおよそ送料が500円〜700円、システム料が600円〜1000円くらいが一般的のようです。
例えば、総額5000円で販売されているカタログギフトの場合、送料500円+システム手数料700円=計1200円を差し引いた残りの「3800円」が本来の商品価値となるということです。※実際に、カタログ掲載されている商品を同じサイト内での単品価格で調べたところ、システム手数料がかからない分、600円ほど安く販売しておりました。
このことからカタログギフトでは、「本来の商品価値」を基準とした価格設定をされているコースが多いです。つまりお香典5000円の半返し相当のコースを選ぶ場合、送料手数料込々でも3000円以上が妥当ということです。その分、カタログギフトは受け取る側の喜びも大きくなりますので、これを割高と感じるかどうかは各々のお気持ち次第かと思います。
※送料無料の表記について
様々なWEBサービスで「送料無料」の表記をしていますが、実際は間違いなく送料がかかっています。あれは利用者の目を引くためのものが大半で、商品価値に送料分を上乗せした金額というだけのことです。自社で配送しているサービスはAmazonくらいしか知りませんし、自社で送料負担して(赤字覚悟で)リピーター確保するのもAmazonのような大手だけの特権です。全くの同一商品で送料無料ならお得ですが、多種多様なカタログギフトでは「送料無料は参考にならない」と考えるのが妥当です。
カタログギフトで失敗しやすいポイント
以上のことから、深く考えずにお香典5000円頂いたから半返しで「込々2500円で送料無料!」のような一見お得に見えるカタログギフト贈ってしまうと、送料手数料(例:500円+700円として)を差し引いた、たった1300円の商品価値となってしまいます。
1300÷2500=52%⇒つまり「お返ししたい半分ほどの価値」の贈ることになってしまい、受け取る側にも安っぽく感じさせてしまう可能性も出てきます。ここがカタログギフトで失敗するポイントだと私は思っております。
それでしたら2000円+送料(例:500円として)のみのタオルや洗剤などの単品の方がまだ見栄えが良いでしょう。
以下、それらをわかりやすくするためにシミュレーショングラフを作成してみました。この場合、送料500円・システム料700円と一律にして計算しています。(実際はコースによって多少の差はあります。しかしカタログで選んでもらった商品を発注するという作業に変わりはないため、それほど大きな差がないのが現状です)
<お香典5000円頂いた場合:シミュレーション例>
選んだ商品 | 購入金額(全て込々) | 送料・システム料を差し引いた本来の商品価値 |
---|---|---|
単品のタオル | 2500円 | 2000円(80%) |
単品のお茶セット | 3000円 | 2500円(83%) |
格安カタログギフト | 2500円 | 1300円(52%) |
カタログギフトでは、金額が安くなればなるほどこのような割合が顕著になります。前述したように、2500円相当のお返し(頂いたお香典5000円)をカタログギフトで選ぶ場合、最低でも3000円以上のコースをオススメしたり、この価格帯のコースが多いのはそのためです。
例えば、「込々3500円のカタログギフト」ですと、送料・システム料(例:500円+700円として)が引かれても2300円相当の商品であることが担保されるので安心できます。
しかし、金額が高くなればなるほどそれらの価値の割合は変わってきます。
<金額・コース別:シミュレーション例>
頂いたお香典の金額 | カタログギフト(購入金額) | 送料・システム料を差し引いた本来の商品価値 |
---|---|---|
10000円 | 5000円 | 3800円(76%) |
30000円 | 15000円 | 13800円(92%) |
50000円 | 25000円 | 23800円(95%) |
上のグラフのように、頂いたお香典30000円のお返しを「込々15000円で送料無料!」というカタログギフトにした場合、送料・システム料(例:500円+700円として)を差し引いたとしても13800円の価値となります。
13800÷15000=92%つまり9割以上の商品価値が担保されます。これなら相手方にも十分に喜んでもらえることでしょう。
<金額別の早見表:シミュレーション例>
最後に、カタログギフトで香典返しをする際の満足度をシミュレーションしてみました。満足度の計算方式は、「お返し相当額」における「本来の商品価値」の割合としています。
※お返し相当額は半返しの金額、商品価値は送料・システム料(500円・700円として)を差し引いた額と一律にしています。
頂いたお香典()内はお返しの額 | カタログギフト(購入金額) | 本来の商品価値()内は満足指数 |
---|---|---|
5000円(2500円) | 2500円 | 1300円(52%) |
5000円(2500円) | 3000円 | 1800円(72%) |
5000円(2500円) | 3300円 | 2100円(84%) |
5000円(2500円) | 3500円 | 2300円(92%) |
5000円(2500円) | 4000円 | 2800円(112%) |
10000円(5000円) | 5000円 | 3800円(76%) |
10000円(5000円) | 5500円 | 4300円(86%) |
10000円(5000円) | 6000円 | 4800円(96%) |
30000円(15000円) | 12000円 | 10800円(72%) |
30000円(15000円) | 13500円 | 12300円(82%) |
30000円(15000円) | 15000円 | 13800円(92%) |
結論を言いますと、香典返しをカタログギフトで贈る場合、金額が低いコースほど失敗する確率が高くなるということです。ですので、お香典5000円のお返しを選ぶ時だけでも慎重にカタログ選びをしてください。それが失敗を少なくする一番の方法です。
感覚的な例えで言いますと、多くの人は、1300円の物を2500円の物あるとは評価はしませんが、18800円の物と20000円の物だと区別がつかないということです。とても嫌な言い方に聞こえたかもしれませんが、そのことを理解しないとカタログ選びに失敗してしまうのです。
今回ご紹介したこれらのデータは、私が各サービスを俯瞰的に調査したおおよその計算です。もちろん中には独自のルートで原価率を抑え、他にはないような格安で提供しているサービスもあるかもしれませんが、香典返しにおけるカタログギフトのメリットデメリットをきちんと理解することは無駄ではないでしょう。そしてこのような労力こそが「感謝の気持ち」となり、相手方の喜びへと変わるからです。